LPガスの販売業者は訪問販売などの取引を行う場合に、様々なルールによって規制がかかっています。
それは、
①特定商取引法
②消費者契約法
③独占禁止法
④液化石油ガス法
によって規制されています。
今回はこの各関連法の一例をご紹介したいと思います。
今回のポイント 1.ガスの契約にもクーリング・オフ制度を使用することが出来る 2.法律により契約内容が記載されている書面が契約者に渡すことが定められている 3.書面を紛失した場合は業者に再交付を頼むことが出来る |
『特定商取引法』とはいかなる内容なのでしょうか?
『特定商取引法』の第二条には、主に訪問販売や通信販売、電話勧誘販売について記載されています。
この第二条で訪問販売の定義を、
「事業者が消費者の自宅に訪問して、商品や権利の販売又は役務の提供を行う契約をする取引の事。 キャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます」
(引用元:特定商取引法ガイド)
としています。
クーリング・オフとは、契約の申し込みや契約の締結をした後に、契約について冷静に考え直す時間を消費者に与えて、一定期間内であれば契約を解除できる制度のことです。
LPガスの場合、以前はガスコンロなどの特定の商品が規制対象でしたが、現在は特定商取引法の改正により全商品に適用され、2009年12月からLPガス業者の訪問勧誘も対象になりました。
この改正があった理由に、LPガスの訪問販売によるトラブルが増加していることが上げられます。
安くなるからと契約したのに、契約当初は安くてもいつの間にか前よりも高い請求金額になってしまったという例もあるようです。
このようなトラブルに合わないためには契約前から注意しなければなりません。
・ガス販売業者を見分ける注意点
・担当者の社名・名前・身分を確認しましょう
・「価格を安くする」という話の場合は「安くなる期間」を確認しましょう
・全ての手続きを委託してほしいと言ってきたら違法になります
・契約書の内容に「保安点検」「解約方法」などが明記してあるか確認しましょう
このような点に注意しておけば悪徳業者を見分けることが出来るはずです。
契約を締結してしまった後に気付いた場合は落ち着いてクーリング・オフ制度を活用しましょう。
続いて、独占禁止法について確認してみましょう。
この法の第二条では、「不公正な取引方法」として、
「不当に、地域又は相手方により差別的な対価をもって、商品又は役務を継続して供給することであって、他の事業者の事業活動を困難にさせる恐れがあるもの」
をあげています。
続いて、LPガス法(液化石油ガス法)について確認していきましょう。
液化石油ガス法 「液化石油ガス法」は、正式名称を「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」といい、液化石油ガスによる災害の防止や液化石油ガスの取引を適正にすることを目的として、液化石油ガスの販売などを規制しています。 |
LPガス法には以下のような規制があります。
①LPガスの販売に対する規制
②消費者保安に対する規制
③バルク供給に対する規制
④LPガス設備工事に対する規制
⑤LPガス器具に対する規制
1996年に液化石油ガス法が改正されました。
これにより、LPガス販売業者の業界への新規参入が容易になり、以前は業界内での顧客争奪をタブー視されていましたが、タブーが無くなったことで競争が激しくなり、顧客獲得のためのトラブルが各地で発生していました。
このような状況を受けて資源エネルギー庁は、1999年に「LPガス取引の適正化・料金透明化に向けた措置」を提案して、「LPガス料金問題検討会」が組織され、LPガスの取引の適正化および料金の透明化などの活動に対する指針が作られていきました。
1週間ルールとは、液化石油ガス法で定められたガス供給設備の無断撤去に関する「LPガス販売事業者間のルール」のことを言います。
LPガス旧事業者から新事業者に切り替える場合は、旧事業者は供給設備を解約の申し出があってから原則1週間以内に撤去を行い、その1週間は新規事業者による供給設備の無断撤去を禁止しています。
LPガスは販売に関しては自由市場ですが、トラブルが発生しやすい環境でした。
そこで、トラブルを回避する方法の1つとして、2001年7月に1週間ルールが示されました。
1週間ルールの具体的な内容は以下の通りです。
①旧事業者は、解約の申し出があってから、原則1週間以内にそれまでの供給設備を撤去しなければならない。 ②新事業者は、消費者から旧事業者に解約の申し出があってから、原則1週間を経過する前に旧事業者の供給設備の撤去をしてはならない。但し、当該供給設備を撤去することについて旧事業者の同意を得ているときはこの限りではない |
LPガス法の中で、特に重要なのが「液化石油ガス法第14条」です。
LPガス販売業者に義務付けられているもので、「料金構成や設備の所有権などをわかりやすく書いた書面」を、新たにLPガス契約を取り交わす時に契約者に提出し、トラブルにならないようにしています。
14条が出来た理由として、自由市場のため販売価格が業者間により差が大きくかったり、供給設備の設置・撤去費用の負担方法をめぐるトラブルがあったりと以前からトラブルが絶えなかった背景があります。
では、提出される14条書面には書かれている内容とはなんなのでしょうか。
以下がその内容です。
①LPガスの種類
②LPガスの引渡しの方法
③料金制度の内容、料金制度の考え方など)
④設備の所有関係(どれが販売店所有で、どれが消費者所有か)
⑤設置、変更、修繕および撤去に要する費用の負担方法
⑥消費設備(ガス配管、給湯器、コンロなど)を販売店が所有している場合は、利用料や支払方法・契約解除時に消費者が消費設備に係る配管を買い取る場合の金額や算定方法
⑦消費者、販売店、保安機関の保安上の責任
もしこの14条書面を紛失した場合や、受け取った記憶が無い場合などの時は、ガス販売業者に対して申し出て、交付してもらいましょう。
液化石油ガス法第14条で、販売契約が締結された場合には、必ずLPガス販売事業者が契約者に、LPガスの取引方法や契約内容等が明確に記載された書面を交付することが義務づけられています。
交付書面にはガス設備(LPガスの容器、ガスコンロ、ガスの供給側配管、消費側配管など)の所有内容が記載されており、この書面が約定書と言います。
約定書の具体的な内容は、
①供消費設備(メーターから屋内の燃焼機まで)について
②給設備(ボンベからメーターまで)について
③売買の予約について
④使用方法について
⑤費用負担について
⑥合意管轄裁判所について
⑦協議について
以上のようになっています。
約定書の項目で注意してほしいものとしてガス代があります。
ガス代は契約しているガス販売業者よって変わってきますので適正価格であるかの確認をしなければなりません。
配管工事や給湯器の取り付け工事にかかる費用の負担はどのようになっているか、また配管設備の所有権はどちらにあるか、トラブルにつながるような内容はきちんと記載されているか、事前に確認する必要があります。
約定書には後のトラブルを回避するために必要な情報が記載されていますので紛失をしないようにしっかり保存しておきましょう。
今回はLPガスの取引適正化について各関連法を紹介させていただきました。
消費者を守るための法律が整備されていても知らなければ、悪徳業者がその隙をついてくるかもしれません。
知識は盾にも武器にもなりますが知らなければ使用することが出来ません。
この機会に身を守る術を身に付けてみましょう。
現在の契約しているガス販売業者から上述した書面を受け取っていない場合、悪徳業者の可能性があります。
書面の交付を頼んでも受け付けてもらえない場合は契約会社の変更をしてしまいましょう。
「ガスの安売り王」は優良ガス会社を紹介させていただきます。
世間には様々なガス会社がありますのでその中から健全なガス会社を探すのは難しいと思います。そんな時は「ガスの安売り王」にご相談ください。
「ガスの安売り王」は地域最安値の優良ガス会社と提携しておりますのでご紹介させていただくことが可能です。
お気軽にご相談ください。