【ガス代に関係する基礎知識】ガス料金のしくみについて

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LPガスの使用料金がどのように設定されているのかご存じでしょうか。

ガス代が高いと家計に負担をかけてしまいます。

そのため出来るだけガス代が安いガス会社との契約をしておきたいところですが、そもそもの料金設定がどのように決定されているのか、気になったことはありませんか?

ガス代の料金設定の仕組みについて知っておけば、突然の値上げにも対応できるかもしれません。

そこで今回は改めて「ガス料金の仕組み」について紹介していきたいと思います。

今回のまとめ
1. LPガスの料金設定は自由料金制
2.消費者側もガス会社を自由に選ぶことが出来る
3.2017年に請求書に料金の明細を記載することが義務化された

LPガスの料金設定は自由料金制

昨今、CMや記事などで目にされるようになり、周知されてきていますが、改めてLPガス(プロパンガス)の料金設定について確認していきましょう。

まず、LPガスの料金を決める基準というのは特に制定されていません

「自由料金制」という、ガス会社それぞれで自由に料金を決定してもよいことになっています。

ガス業界におけるガス代の料金設定は、昔から法律などの規制や統一されたルールが無い状態でして、それぞれのLPガス販売事業者が原料調達費用・人件費などのコスト、利益を考慮したうえで、独自に料金を決定しています。

そのためそれぞれのガス販売会社によってガス料金が変わってくるのです。

自由に料金を決定しているのはガスだけではなく、他の様々な商品やサービスにも言えることです。

ここでなぜ「LPガスは自由料金制」ということを説明しているのかと言いますと、ガス料金は皆、共通だと考えているお客様が多いためです。

他の公共料金ですと規制がかかっているため、料金に差が出にくくなっていますが、先ほど説明したようにLPガスは特に規制がありませんので、料金を比較してみると驚くほど差が出ることがあります。

お金

会社変更も自由にして良い

ここで確認しておきたいポイントは、LPガスは他のサービスや商品のように価格にバリエーションがあり、お客様側で自由に選ぶことが出来るという点です。

そのため、もしガス料金が高いと感じた場合やサービスが悪いと感じるようなことがあるのでしたら、現在契約しているガス会社から契約を切り替えることも可能なのです。

この時に複数のガス会社を比較することで現在よりも安い料金のガス会社を探すことが出来ますし、安全にガスを使用するために様々な安全対策を講じているガス会社を発見することが出来るかもしれません。

印鑑

集合住宅や賃貸住宅の場合

上記で「お客様側で自由に選ぶことが出来る」と書きましたが、一部例外があります。

お客様側で選ぶことが出来るのは、「お客様」「ガス会社」直接契約している場合は切り替えることが出来るという点にあります。

直接契約を交わさなくてもガスを使用できる環境である、アパートやマンションなどの集合住宅や賃貸住宅の場合は、管理者や家主がガス会社と契約をしているためお客様が勝手に変更することが出来ないのです。

もしガス料金やサービス面を改善したくてガス会社を変更したいと考えたのでしたら、現在お住まいの管理者や家主を説得しましょう。

現在のガス料金が分かる資料、他のガス会社からもらった見積書を手に比較しながら説明しましょう。

そこに利点があれば応えてくれるはずです。

契約書

LPガスの料金は「分かりづらい」

LPガスを使用する消費者の方の中には、「LPガス料金ってわかりにくい」と感じている方もいます。

なぜここまでわかりにくいというイメージがついているのでしょうか。

その理由として、それぞれのガス会社により料金が違うということに加えて、

・料金表を公開する義務がない

・請求書に計算根拠を示す義務がなかった(2017年、液石法の施行規則が一部改正されたことにより義務化)

ということが挙げられます。

他の携帯料金や電気料金などを会社のホームページを確認すれば公開している場合が大多数ですし、送られてくる請求書や現在ですとアプリなどでも確認することが出来ますが、料金の内訳が明細に記載されています。

しかし、LPガス料金の場合は最近までは請求書に内訳を記載しなくても問題ありませんでした。

明細が無ければ突然ガス代が値上がりをしてもそれが正当な理由による値上がりなのか判断することが出来ません。

そのため政府は消費者を守るために規則を強化することになりましたが、料金表の公開の義務化までには至っておりません。

情報公開が少ないとお客様側で判断をすることが出来なくなってしまうため不信感がつのりやすい環境になってしまっています。

また、料金に関する情報を公開する必要がない状況は、ガス会社同士による価格競争が起こりにくい環境とも言えます。

価格競争が起きず、比較対象が無い状態が続くと、値下がりが起こらないで値上がりをし続ける、現在の「LPガスは高い」と言われてしまう状況の原因になります。

しかし、このような状態を憂い、不透明な料金設定を問題視する声が上がるようになってきているようです。

上記でも述べましたが、最近まで請求書に明細を記載しなくてもよかった時代がありましたが、2017年に液石法施行規則の一部が改訂されたことにより、明細の義務化などの透明化が進みつつあります。

今後さらにガス料金の透明化や情報公開が進み、お客様に寄り添えるガス会社が増えていけば、不当な値上げや料金設定が難しくなっていくでしょう。

さらに価格競争が正常に機能すれば、料金が下がりやすくなっていくでしょうから、業界の健全化が待たれるところです。

この流れを強化するために、消費者側も正しい知識・認識を身に着けて「LPガスは自由に選べる」ということを周知していきましょう。

そうすればガス会社側も消費者を無下にしにくくなるので、きちんとしたガス会社との契約が当たり前になっていきます。

改善を続けていけば、消費者目線のサービス提供が出来る優良ガス会社が増えていくサイクルが生まれるはずです。

マネー

今回のまとめ

今回はガス料金の仕組みについて改めて紹介させていただきました。

ガス料金が高い原因の一つである公開されている情報の少なさは徐々に改善されているようですが、まだまだ先は遠いようです。

価格競争がきちんと機能すればガス代を下げざるを得ませんので、消費者も出来るだけ正常化に協力していきましょう。