ガス代の仕組みについては前回お話ししましたが、そこでは具体的な料金体制については触れませんでした。
今回は、LPガス(プロパンガス)の料金がどのような料金体制になっているのか、内訳を種類別に詳しく見ていこうと思います。
今回のポイント 1. 料金体制は二部料金制、最低責任使用料金制、三部料金制に分かれている 2. 料金体制により価格に差はない 3. 従量料金は原料費調整制度により固定されていないことがある |
前回の記事にて、LPガスは自由料金制のためそれぞれのガス会社でガス代が変わってくるということについて触れていました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
自由にガス代を決定することが出来るとはいっても、そこには基準が設けられています。
2017年の液石法の改正によりガス料金の計算根拠を公表することを義務付けられるようになったため、きっちりとした基準が無ければなりません。
ガス販売会社は人件費やガス調達費などのコストや利益を含んだガス料金を設定し、単価を決定、料金プランが作られて、消費者の使用量によってガス代が計算されています。
ガス代を計算するための料金プランにも種類があります。
現在、主に契約されている料金体制は以下の3つです。
・二部料金制
・最低責任使用料金制
・三部料金制
ここからそれぞれについて詳しく見ていきます。
「基本料金」と「従量料金」の2つから構成されている料金プランです。
最も多くのガス会社で採用されている料金プランでもあります。
計算方法などは以下の通りです。
基本料金 | ガスボンベやメーター等のガス供給設備にかかる費用 保安や検針にかかる費用 |
従量料金 | ガス使用量に応じてかかる費用 単価(従量単価)が1㎥あたり〇〇円という風に設定されている |
計算方法 | ガス料金=基本料金+ガスの使用量× 従量単価 |
基本料金はガスの使用した・しないに関わらず、契約しているならば必ず払わなければならない料金です。
人件費や設備の設置・保全費用などのコストがこの基本料金に含まれます。
従量料金はガスの使用量に応じてかかる料金です。
どれだけガスを使用したかによって変わるため、毎月の使用料金の変化はこの部分を見ればわかります。
単価は原料の値段や輸入にかかった値段によっても変動してくるため、値上げの対象になりやすい部分でもあります。
最低責任使用料金制は一定の使用量までは、使用量の多少にかかわらず料金が固定されており、一定の量を超えるとその超えた使用量に応じた料金が加算されるものです。
また、全国のおよそ2%のガス販売事業者に採用されています。
仕組みについて解説しますと、一定の使用量(最低使用量)までは「最低責任使用料金」という固定額の料金を設けられています。
そのため、この使用量を上回らないと金額は変わりません。
仮に最低使用量が10㎥だった場合、ガスの使用量が1㎥でも5㎥でも10㎥でもガス代は変わりません。そのため上限ギリギリまで使用しないともったいなく感じます。
しかし、この最低使用料を上回る量を使用してしまった場合、その分は従量料金となり、「○○円/㎥」の従量単価を使用量にかけて固定額に上乗せされます。
最低使用量が10㎥の場合で15㎥を使用したら、その差である5㎥と従量単価をかけたものが固定額に加算されるということです。
計算方法や内訳は以下の通りです。
最低責任使用料金 | ガスボンベやメーター等のガス供給設備にかかる費用 保安や検針にかかる費用 一定量までのガス使用量 |
従量料金 | 一定量を超過した分のガス使用量に応じてかかる費用 単価(従量単価)が1㎥あたり〇〇円という風に設定されている |
計算方法 | ガス料金=最低使用料金+一定量を超過した分のガス使用量(㎥) × 従量単価 |
三部料金制は二部料金制の「基本料金」と「従量料金」に「設備使用料金」を加えたものです。
また、全国のおよそ1%のガス販売事業者に採用されています。
この三部料金制は1つ項目が追加されていますが、二部料金制と金額が変わるわけではありません。
なぜなら、二部料金制の基本料金に含まれる「設備使用料」を別の項目として独立させたものだからです。
項目が増えて内訳が分かりやすくなっただけで、二部料金制と三部料金制の内容は同じということになります。
計算方法や内訳は以下の通りです。
基本料金 | ガスボンベやメーター等のガス供給設備にかかる費用 保安や検針にかかる費用 |
設備使用料金 | ガスの配管をガス販売事業店から借り受けている場合の利用料 ガス漏れ警告器などの利用料 |
従量料金 | ガス使用量に応じてかかる費用 単価(従量単価)が1㎥あたり〇〇円という風に設定されている |
計算方法 | ガス料金=基本料金+設備使用料金 + ガスの使用量 × 従量単価 |
上記で出てきました料金プランに含まれている従量料金ですが、この従量単価を設定する方法にもいくつか種類があります。
ガスの使用量によって単価が変わらないプランもありますが、使用量で価格が変わったり、単価を見直す制度を用いたりしているガス販売事業者もいます。
ここでは、ガスの使用量によって従量単価が変動する「スライド制」と、LPガスの仕入れ価格の変動をガス単価に適用する「原料費調整制度」の二つについて見ていきます。
スライド制は、一定の使用量の範囲に従量単価を設定しており、それぞれの使用量に応じた従量単価を適用するものです。
例として、
使用量 | 0~5㎥ | 6~10㎥ | 11~15㎥ |
1㎥あたりの従量単価 | 575円/㎥ | 550円/㎥ | 525円/㎥ |
このような設定がされている場合、ガスの使用量が「8㎥」だとすると、上記の「6~10㎥」の「550円/㎥」が適用されるため、
8㎥ × 550円/㎥ = 4400円という従量料金が請求されることになります。
このスライド制は基本的に使用量が多ければ多いほど1㎥あたりの従量単価が安く設定されているため、ガスの使用量が多い大家族や飲食店などに適しています。
現在、LPガスは調達先の75%を輸入に頼っているのが現状です。
そのため、輸入のためにかかるコストや原料価格、為替の変動などを加えた仕入れ価格によりどうしても従量料金を変えていく必要があるときがあります。
この料金の変動を毎月従量単価にも反映させる仕組みが「原料費調整制度」になります。
つまり原料費調整制度が適用されている場合、毎月従量単価が異なってきます。
また、従量単価を決定するのに、3か月分の原料価格の平均が用いられています。
この平均に使用した最後の月から2か月後の従量単価に関わります。
例えば、8月の従量単価を知りたい場合は、その2か月前である6月、5月、4月の原油価格の平均を計算するといいでしょう。
ここまでガス料金の料金体制について見てきましたが、この知識がどのようにしてお得なLPガス販売事業者を選ぶことに活用できるのでしょうか。
LPガス販売会社によりその値段は異なりますので、出来るだけ安い販売会社を選びたいところです。
そこで複数の会社の料金プランを比較してみましょう。
ホームページに料金表を公開しているガス会社もありますが、していないガス会社もありますので、その場合は連絡をして見積もりをもらいましょう。
ここでもらった料金表には、二部料金制か三部料金制、最低責任使用料金制かは分かりませんが、「固定額+従量料金」という部分は変わりません。
この部分をそれぞれと比較することで安い値段設定にしているガス会社を探すことが出来ます。
しかし、ただ安いからと安易に選ぶことはお勧めできません。
新規の顧客を集めるために入口の価格を抑えておいて、契約後値上げをしていく手口のガス会社も存在するため、極端に低い値段設定にしている所には注意しましょう。
見積もりを貰う時や料金規則をよく確認して避けましょう。
このような方法でお得なガス会社を見つけることが出来ますが、お得で優良なガス会社をさがすことが大変と感じる方もいるでしょう。
そのような方は「ガスの安売り王」にご相談下さい。
優良な地域最安値のガス会社を紹介させていただきます。
是非お気軽にご相談ください。
今回はLPガスの料金体制がどのような内訳になっているのかについて紹介させていただきました。
これ等の知識はガス会社を比較する上で必要な知識です。
現在ご使用になられているガス代も他のガス会社の料金プランと比較することも出来ます。
もし現在のガス代が高いと感じるようでしたら、周辺地域にあるガス会社から見積もりを貰って比較してみるのはどうでしょうか。
お得な出会いが待っているかもしれません。