ガスボンベを車内に放置しないで! 安全な取り扱い方を学ぼう

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夏はキャンプや海水浴といったレジャーをするにはいい季節です。
そんなレジャー中にとる食事で焼き物を作ったり、お湯を沸かしたりするのに役立つ物と言ったら携帯ガスコンロともいえるカセットコンロがあります。
また、個人的にガスボンベを購入して外出先で使用することもできるのでそのような方もいるでしょう。
外出先でも使用できるカセットコンロは料理をするときに便利ですが、その燃料となるガスボンベは取り扱い方を間違えると大変なことになります。
真夏の車内はとても高温になるので、ガスボンベを車内に放置しておくと爆発する可能性があります。
今回は真夏の車内とガスボンベの危険性とボンベの安全な取り扱い方について紹介していきたいと思います。

今回のポイント
1.真夏の平均車内温度は50℃を超える
2.ガスボンベを熱すると爆発する危険性があるため注意
3.ガスボンベは40℃以下の温度の場所で、直射日光を避けて保管しよう
ガスボンベ

夏の車内温度って何度になるの?

真夏の車内というのはとても高温になるというのはよく知られていることだと思います。
車内に子供を残して熱中症になってしまったというニュースを聞いたことがあるでしょう。
また、夏の車内はクーラーを入れていないとすぐに暑くなってしまうのは経験があるとは思いますが、具体的に車内温度がどれだけ上昇するのかは知っているでしょうか。

JAF(日本自動車連盟)が行った「ユーザーテスト」では、クーラーを使用して25℃に保った車内の温度が、真夏の炎天下・午後12時から4時間駐車した場合にどのくらい変化するのかという実験が行われました。
このテストによるとエンジンを切って1時間もしないうちに車内温度が50℃を超えて、直射日光が当たるダッシュボードの温度は70℃を超える記録を出し、エアコンを作動している場合は車内温度が平均26℃でしたが、ダッシュボードは60℃以上まで上昇しています。

このような温度の車内に物を置いてあれば、どのような影響が出るのか気になると思います。
JAFのテストでは続けてダッシュボードに物を置いてみた結果も掲載しています。

置いたもの放置した結果
クレヨン約1時間20分で全て溶けた。
約1時間で白身の周りが白くなり、約3時間で全体が白く固まった。
スマートフォン高温注意の警告画面が表示され一部の機能を除いて使用不能になった。
100円ライター2~3時間でケースに亀裂が生じ、ガスが抜けた。
消せるボールペンで書いたメモ約2時間で消えて読めなくなった。

車内の中でも1番高温になるダッシュボード付近に置いてあったとはいえこの結果には驚いてしまいます。
では、このような高温になる車内にガスボンベを放置してしまったらどうなるのでしょうか。

温度

ガスボンベの取り扱い方

キャンプなどのレジャーにはカセットコンロ用にガスボンベを利用するために持参することもあるでしょう。
「自然の中でおいしい料理を食べたい」という気持ちはキャンプ経験者ならわかるのではないでしょうか。そんな時に便利なカセットコンロですが、燃料が入っているガスボンベの取り扱いには注意が必要です。

それでは具体的にどのような注意が必要なのか確認してみましょう。

1.ガスボンベと燃焼器具のメーカーは同じ物を使用する。

カセットコンロやガスランタンといった燃焼器具はガスボンベのメーカーと同じところの物を使用しましょう。
メーカーによってガスボンベと燃焼器具が接続する部分であるバルブやノズルの太さや形が違うため無理に使用するとガス漏れを起こす可能性があります。
事故の原因になるため違うメーカーの製品を混ぜて使用するのは止めましょう。

2.燃焼器具を使う時は換気を十分にした環境で。

密閉された場所で物を燃やすと空気中の酸素が足りなくなり、不完全燃焼が起こってしまい、一酸化炭素が発生してしまいます。
一酸化炭素は無味無臭で無色であるため、発生しても気づきにくく酸素よりも血液と結びつきやすい特性を持っているため、中毒になりやすく窒息といった症状が出てしまいます。
最悪の場合は死に至ることもあるので十分に注意しましょう。

3.高温にさらさない。

ボンベ自体を熱するような使い方をしないようにしましょう。
例えば、カセットコンロなどを使用する時に鉄板などが直接ボンベに触れたまま使用し続けてしまったり、火のそばに置いたままにしてしまったりするとガスボンベが爆発する恐れがあります。
火のそばに置いておくと中身のガスに引火すれば燃焼する危険性があることに注意しなければいけないというのもありますが、ボンベ自体を熱すると内部の液化したガスが気体に戻ろうとして圧力が高まりボンベが破裂してしまうのです。
そのため火を使用していなくても高温の場所にガスボンベを放置してしまうと爆発事故が起きる可能性があります。

ガス

ガスボンベの保管方法

上記の様にガスボンベには適切な取り扱いをしなければ事故につながる可能性があります。
カセットコンロ用のガスボンベはメーカーによりますが「40℃以下で直射日光を避けて、キャップをして保管して下さい」と注意書きが明記されています。
注意書きがあるということは40℃を超える環境にある場合、危険性が高まるということになります。
JAFの実験では車内温度がクーラーを作動させていないと40℃を超えていました。密閉されている車内だと50℃を超えてしまっています。
そのような環境にガスボンベを放置してしまえば爆発する可能性があるということが分かると思います。
それでは具体的な保管方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

取り扱いが難しいガスボンベを安全に保管するには、どうすれば良いのでしょうか。保管方法の注意点を具体的に見ていきましょう。

カセットコンロ

1.車内に放置しないようにする

移動中や車を使用しているならば、クーラーを使用したり窓を開けたりと調整することが出来ます。
しかし駐車した後に窓を開けず、クーラーも使用せずに長時間離れるようなことがあれば車内温度は急激に上がっていくことでしょう。
JAFの実験によると、実験した車種によりますが、30分たたない内に車内温度が40℃以上になっています。
クーラーを使用した車以外は1時間経つ前に全て40℃を超え、黒色の車種の場合は50℃を超えてしまっています。
ガスボンベが耐えられる温度はメーカーによりさまざまではありますが、このような環境においておけば事故の原因になってしまうため絶対に避けましょう。

2.直射日光に当てないようにする

ガスボンベの材料は大体金属製なので熱伝導率が高いものであると考えていいでしょう。
そこに直射日光を当ててしまえば火であぶっているようなものであり、熱をため込んで高温になってしまい爆発する危険性が高まってしまいます。

JAFの実験では、窓は開けずにサンシェードを装着して直射日光が当たらない状態の場合でも、車内温度が50℃近くまで上昇したとされています。平均温度は40℃以上を記録しているのでガスボンベを保管するには向いていない場所と言えます。
車内に直射日光が入らないように対策したとしてもこの結果ということは、直射日光が当たるとなればさらに車内温度が上昇することは確実なので放置しないように注意しましょう。

3.保管方法の工夫をする

保管する際に工夫すれば危険性を下げることが出来ます。
例えば、クーラーボックスなどの内部温度が上がりにくいものに保管すれば、そのまま車に乗せて運ぶよりも温度が上がりにくいため危険性が下がります。
しかし、クーラーボックスは断熱材によって温度の上昇がしにくいというだけで、温度の上昇がしないという訳ではありません。
長時間直射日光に当ててしまえば内部温度が上昇してしまうため保管場所を変えても意味がなくなってしまいます。
「直射日光を避けて」「涼しい所」で保管することを心がけるようにしましょう。

アウトドア

今回のまとめ

今回は真夏の車内温度についてとガスボンベの保管方法について紹介させていただきました。
レジャーに持ち込みたいガスボンベではありますが、保管方法に気を付けなければ爆発する危険性があります。
ガスボンベだけではなく真夏の車内温度は場所によっては卵が固まることもあるほどの高温になるので、熱に強いもの以外は置いておかない方がいいでしょう。
スマートフォンを放置していたらリチウム電池が爆発したという事件もあるほど、どこに危険が潜んでいるか分かりません。
適切に使用すれば事故の危険性を減らすことができるのでよく注意書きを読んで保管しておきましょう。

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