普段の生活で料理やお湯を沸かすのに使われているガスには、地下の配管で供給する「都市ガス」とボンベを配達する「LPガス」の2種類があります。
しかし都市ガスの場合はさらに種類を分けることが出来ます。
ガス器具を選ぶときはそのガスの種類に合ったものを選ばなければ使用することが出来ません。
もし対応していないガス器具を使用したらガス漏れなどの事故が起きるかもしれません。
「都市ガス」としてひとくくりにされているガスでも互換性が無いこともあるのです。
同じ都市ガスを取り扱う業者でも、会社が違えば取り扱う種類が変わることもあります。
今回はそんな都市ガスの種類について紹介していきたいと思います。
今回のポイント 1.都市ガスは7グループ13種類の種類に分かれる 2.日本で最も使われている都市ガスの種類は「13A」である 3.ガスの種類を確認して適したガス機器を使いましょう |
都市ガスの種類は、以下の表のように7つのグループに分けることが出来、13種類に分類できます。
ガス全体なら、上記の13種にLPガスを足して14種類あることになります。
現在都市ガスで使われているのは13Aや12Aが最も多く、東京ガスや大阪ガスなどの大手のガス事業者で採用されています。
ガスの種類 | 熱量(kcal/㎥) | |
都市ガス |
13A | 10000~15000 |
12A | 9070~11000 | |
6A | 5800~7000 | |
5C |
4500~5000 | |
L1(6B、6C、7C) | 4500~5000 | |
L2(5A、5B、5AN) | 4500~5000 | |
L3(4A、4B、4C) | 3600~5000 | |
LPガス | 24000 |
ガスの種類を表すのに使われている数字やアルファベットにはそれぞれ意味があります。
ガスの種類名は、数字+アルファベットで表記されています。
この種類名の数字はガス1㎥あたりの発熱量(kcal)を表しています。
数字は数が大きいほど熱効率が良いことを表しています。
12Aと13Aを比べると、13Aのガスの方の熱量が高いため、熱効率が良いということになります。
数字の後ろの英字は、ガスの燃焼速度を表しています。
燃焼速度は「A(遅い)←B(普通)→C(速い)」という設定になっているため、6Aと6Cのガスを比べた時は、同じ量のガスを燃焼させると6Cの方が燃効率が良く熱になる際の無駄が少なくなります。
燃焼速度は、未燃焼混合気に対する火炎面の相対速度として定義され、燃焼性を直接表す指標であり、シリンダー内の熱発生量に対応する値である。燃焼速度を支配する主要な因子は、混合比、圧力、温度および乱れの強さであり、なかでも乱れの強さの影響が大きい。また混合比は燃焼自体に大きく影響する重要な因子である。
辞書より引用:燃焼速度
つまり、数字は大きいもので、アルファベットがCであれば燃焼効率の良いガスを使用していることになります。
都市ガスには様々な種類があることがわかりました。
しかし、上述しましたがガス器具は対応しているガスでなければ事故の危険性があります。
そのためガス器具を使う場合や購入する際にはどのようにガスの種類に対応しているのかを調べなければなりません。
ガス器具にはその器具で使えるガスの種類が書かれたステッカーが貼ってあります。
このステッカーを見れば対応しているガスの種類やガスの消費量が分かるので、新規購入する際は確認してみましょう。
東京ガスは13Aのガスを使用しているので、東京ガスと契約している方はガス器具に13A(もしくは12A・13A両用)と書かれているステッカーがあることを確認して使用しましょう。
ちなみに、13Aと12Aはほぼ同じ性質を持っています。
そのため、新しいガス機器のほとんどは12A・13A両用で作られています。
日本で最も使用されている都市ガスの種類は「13A」です。
契約者数が多い東京ガスでも採用している都市ガスは「13A」です。
また、国が率先して都市ガスの高カロリー化を進めました。
その結果2000年以降は都市ガスのシェアは「13A」が最も多く占めることになりました。
現在都市ガスを使用できるほとんどの地域で「13A」が採用されていますが、極一部ではありますが12Aのガスが使われている地域もあります。
日本には東京ガスや大阪ガスのような大手のガス会社以外にも、様々な中小のガス会社が存在するため、採用しているガスの種類にばらつきが出ることがあります。
おおむね「13A」のガス種に集約されてきていますが、まだ完全にはそろったわけではありません。
引っ越しをする際は、ガス器具も引っ越し前の家で使っていたものを新しい家に持っていくことが多いと思います。
注意してほしいのはこのガス器具が新しい家で契約しているガス会社が採用しているガスの種類を確認することです。
対応していない場合はガス器具を買い替えなければいけません。
まず、引っ越し先の地域で使われているガスの種類を確認します。
契約しているガス会社に問い合わせてみるのが一番早いでしょう。
次に、使用したいガス器具がどのガス種に対応しているかをステッカーで確認します。
古いガス器具は故障の可能性があるので新しいものに買い替えてしまってもいいと思います。
しかし、古いガス器具をどうしても使いたい場合もあると思います。
その使いたいガス器具が13A(または12Aとの両用タイプ)でない場合は、調整作業が必要になります。
調整作業はガス会社に相談してみると対応してくれます。
作業に必要な部品を取り寄せる必要がある場合は、使用可能になるまでにその分時間がかかってしまうかもしれない事には注意しておきましょう。
今回は都市ガスの種類について紹介させていただきます。
「ガス」は「都市ガス」と「LPガス」だけでなく、さらに細かく種類分けされているのです。
引っ越しなどで契約会社が変わるような場合は、注意が必要になるかもしれないことは覚えておくと良いでしょう。
もし変更するような場合は、ガス器具に貼ってあるステッカーを確認することでガスの種類を確認することが出来るので、自分の安全のためにも気を付けてみてください。