ハイブリッド給湯器を導入するメリット・デメリット

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ハイブリッド給湯器とは、「エコキュート」などの冷媒ヒートポンプ給湯器に「エコジョーズ」を搭載している給湯器です。

エコジョーズとは、従来のガス給湯器ではそのまま捨てていた燃焼ガスを、再利用して熱を取り出すことで熱効率が格段に良くなったガス給湯器です。

また冷媒ヒートポンプ給湯器とは、空気の熱でお湯を沸かす電気給湯システムです。

冷媒ヒートポンプ給湯器は電気の消費を抑えることが出来るため光熱費を安くすることが出来ます。

ですが、すぐにお湯がでない、お湯を貯めて使用しているので使いすぎると湯切れが起こるといったデメリットもありました。

エコジョーズは給湯効率が良く、その時に沸かしているからお湯が切れないというメリットがありますが、従来よりも節約ができてもガスを使っていることには変わりはないので、お湯を大量に使うとガス代がかかるというデメリットもあります。

そこで、「冷媒ヒートポンプ給湯器」と「エコジョーズ」の2つの特徴を併せ持った給湯器が「ハイブリッド給湯器」です。

ハイブリッド給湯器は、ガスと電気のそれぞれのメリットでデメリットを補うシステムを持ちます。

今回はそんなハイブリッド給湯器についてご紹介したいと思います。

今回のポイント
1.ハイブリッド給湯器は電気代やガス代を節約できる仕組みになっている
2.地域により補助金の対象になっていることがあるので安くできる
3.ガスの使用量を減らすのでLPガスを使用しているならガス代の節約効果が高い

ハイブリッド給湯器の仕組み

ハイブリッド給湯器の仕組みは、

・冷媒ヒートポンプ給湯器の担当部分

①空気中の熱を冷媒に集めます。

②あたたまった冷媒を圧縮してさらに高温にします。

③冷媒の高熱を水と熱交換することでお湯にして貯湯タンクに貯めておきます。

・エコジョーズの担当部分

④貯めてあるお湯が無くなった場合にガスを使用してお湯を沸かします。

⑤追い炊きや素早く温めたい時はエコジョーズでお湯を沸かす。

これらをまとめたものがハイブリッド給湯器になります。

ハイブリッド給湯器のヒートポンプで消費される電力はお湯を沸かすために直接熱にしておらず、ファンを回したり、冷媒の移動に使用しているため通常の電気給湯器より節約することが出来ます。

そしてお湯を使い過ぎて切らしてしまった場合に、ハイブリッド給湯器に搭載されているエコジョーズで、新たにお湯を沸かすことになります。

そのため、冷媒ヒートポンプ給湯器だけのように使い過ぎて湯切れすることがなくなりました。さらにエコジョーズは効率的にお湯を沸かすことが出来るので、従来のガス給湯器よりもガス代を節約できる仕組みとなっています。

床暖房を使用している場合はエコジョーズで素早く部屋を温めてから、冷媒ヒートポンプ給湯器のお湯を循環することで室温を維持するため、素早く温まり安く済むため温水式の床暖房と相性がいいのです。

外付け水道

ハイブリッド給湯器のメリット

ハイブリッド給湯器にはたくさんのメリットがあります。

・光熱費が安い

・湯切れの心配がない

・CO2削減で地球に優しい

・コンパクトで設置しやすい

・停電やガス停止に強い

・省エネ機器の補助金対象

ではそれぞれ詳しく見てみましょう。

光熱費が安い

冬場はお湯の使用量が多くなり、暖房器具を使用しなければ凍えてしまいます。

ハイブリッド給湯器なら温水式の床暖房を効率よく利用できるので、光熱費を抑えることが可能となります。

従来のガス給湯器を使っていた場合と比べると、年間給湯ランニングコストを比較したら約47%も削減することが出来るそうです。

参照元:ハイブリッド給湯・暖房システム ECOONE(屋内設置タイプ):特長 - リンナイ

湯切れの心配がない

冷媒ヒートポンプ給湯器を使用している場合は、大量のお湯を使用してしまうとお湯が切れることがあります。普段の使用量ではなかなか無くならないかもしれませんが、来客などで貯めていたお湯を使い切ってしまうと、お湯を追加で沸かさなければなりません。

しかも深夜料金ではない時間帯ですと電気代が馬鹿になりませんし、お湯が貯まるまでは水しか使えません。冬の風呂場でそんなことになってしまったら風邪をひいてしまいます。

しかしハイブリッド給湯器なら、ガス給湯器が搭載されているので、お湯を使い切ってもお湯を使うことができます。これなら安心してお風呂で温まることが出来ます。

シャワーヘッド

CO2削減で地球に優しい

従来のガス給湯器は、ガスの燃焼によってお湯を沸かすので、CO2が多く排出されていました。

しかしハイブリッド給湯器は、ガスの使用量を格段に抑え、エコジョーズという効率の良いガス給湯システムを使用しているため、排出されるCO2が大きく削減できます。

一般財団法人省エネルギーセンターが主催する平成29年度の「省エネ大賞」では、家庭用ハイブリッド給湯・暖房システムが受賞しました。環境に優しいノンフロン冷媒が採用されていたことと、従来のガス給湯器と比べ、CO2排出量を年間約 670kg- CO2(約 49%)削減できたことが受賞につながったようです。(参照元:平成29年度 「省エネ大賞」 を家庭用ハイブリッド給湯・暖房システムが受賞!

コンパクトで設置しやすい

冷媒ヒートポンプ給湯器のタンクユニットは大きく、設置場所を選びます。

ハイブリッド給湯器は従来のものと比較するとコンパクトな為、設置面積が少なく済みます。

停電やガス停止に強い

ハイブリッド給湯器はガスと電気の両方を使用しているため、どちらか片方が止まったとしても、もう片方が動いていれば給湯することが出来ます。

従来のガス給湯器や冷媒ヒートポンプ給湯器の場合は、それぞれが止まってしまえば給湯することが出来ません。

省エネ機器の補助金対象

自治体によりますが、冷媒ヒートポンプ給湯器やエコジョーズの導入に補助金を出してくれる場合があります。

同様にハイブリッド給湯器も補助金対象としている自治体があります。

補助金を利用すれば導入費用を抑えることが出来ます。

プライス

ハイブリッド給湯器のデメリット

ハイブリッド給湯器のメリットについて紹介しましたが、デメリットもやはり存在しています。

・設置場所が必要になる

・地域や家族状況によっては節約にならない

・導入費用が高い

では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

設置場所が必要になる

上述したメリットの内「コンパクトで設置しやすい」で述べましたが、従来の冷媒ヒートポンプ給湯器よりもコンパクトではありますが、それでも設置するための場所は必要になります。リンナイより販売されているハイブリッド給湯器「RHBH-RJ246AW-2-1」のサイズを確認してみますと

熱源機    :高さ720mm×幅474mm×奥行261mm

タンクユニット:高さ1750mm×幅474mm×奥行564mm

ヒートポンプユニット:高さ690mm×幅815mm×奥行297mm

参照元:リンナイ 「ハイブリッド給湯・暖房システム総合カタログ 2020 Ⅰ」)

このような大きさになっていますので導入を検討している方は設置場所の広さを測ってみましょう。

地域や家族状況によっては節約にならない

ハイブリッド給湯器はお湯の使用量が多く、温水式床暖房を導入していると節約効果が実感しやすいと思います。

逆に言えば、温暖で床暖房を使用しない地域や、お湯の使用量が少なければメリットが薄くなってしまいます。

床暖房が必要ない場合はエコジョーズや冷媒ヒートポンプ給湯器の方が節約につながる場合があります。

また、LPガスを使用している場合はガス代の削減効果が大きくなりますが、都市ガスの場合は削減効果が薄くなります。

導入費用が高い

導入費用はハイブリッド給湯器が、エコジョーズや冷媒ヒートポンプ給湯器よりも高くなります。

リンナイが販売しているハイブリッド給湯器「ECO ONE」のシステム希望小売価格は約70万~約93万と高額で、業者によりおまけや割引を考慮してくれますがそれでも高いと言わざるを得ません。

お金

今回のまとめ

今回はハイブリッド給湯器について紹介させていただきました。

ハイブリッド給湯器は、ガス給湯器と冷媒ヒートポンプ給湯器のいい所を組み合わせた環境に優しい給湯器です。

ただし、気候や使用環境によってはエコジョーズやエコキュートのほうが節約できる場合があります。

一律で導入すれば必ず期待した効果が見込めるわけではないので、現在の使用状況に合わせて導入を検討した方が良いでしょう。

LPガスを使用している場合に節約効果が高くなるのは、LPガスの従量単価が高いためガスの使用量が減ればそれだけ節約できるということもあります。

現在のLPガスの代金が高いと感じている場合は「ガスの安売り王」にご相談ください。

「ガスの安売り王」は地域最安値のガス会社を紹介させていただきます。

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