ガスFF暖房機ってどんな暖房機なの?

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暖房器具は暖め方が様々あり機種も色々ありますが、熱源の種類も電気、灯油、ガスと分かれていてそれぞれ特徴があります。

こうなるとどれを選んだらいいのか迷ってしまいます。

電気の場合はエアコンやハロゲンヒーターなどの電熱線を用いた暖房器具が代表的で、消費する燃料が電気なので燃料代が安く長時間の使用に適しています。

ですが、これらは足元が寒く、暖かさが感じにくく、すぐには部屋が暖まらない点がデメリットです。

灯油は石油ストーブやファンヒーターなど火を扱って部屋を暖めるため、暖かさを感じやすく、どこにでもすぐに使用することが出来る点はメリットと言えるでしょう。

しかし着火から温まるまでに時間がかかること、給油や燃焼時に臭いがすること、燃料切れには給油をしなければいけない事、給油で手が汚れる事、煤が出るかもしれない事は灯油のデメリットです。

ガス暖房器具はこれらのデメリットを解決してくれる暖房器具です。

もちろんガス自体にも「電気よりコストがかかる」「ガス栓が無いと使えない」といった他にはないデメリットも存在しますがハイパワーで部屋を素早く温めてくれる点は寒さが厳しい冬には心強い味方です。

そんなガス暖房器具の一種の「FF式ガスストーブ」とも呼ばれている「ガスFF暖房機」について紹介していきたいと思います。

今回のポイント
1. ガスFF暖房機器は排気を直接外にするので空気がきれいなまま
2. 輻射式はお手入れが簡単だけど火傷の危険性がある
3. 温風式はすぐに部屋が暖めてくれるが埃が舞ってしまう

ガスFF暖房機器とは

ガスFF暖房機のFFは “Forced Flue”(強制通気)の略で、電動ファンなどで強制的に給気と排気を行う仕組みの暖房システムです。

ガスFF暖房機もその暖め方で種類が分かれていて、

・ガスFF輻射式

・ガスFF温風暖房機

・FF式ガスストーブ

という種類があります。

これらは、FFという吸排気方式で、熱源にガスを使った暖房機という共通点を持っています。

FF式の分かりやすい特徴として、暖房機の背面から吸排気管が出ていて、その管が壁を貫通して屋外に出ています。

また、燃料がガスなので、設置場所にガス栓を増設しておく必要性があります。

それため一度設置すると、移動が簡単には出来ないという点も持ち合わせています。

ガスFF輻射式について

「輻射式」とは燃焼室で燃料を燃やして発生した輻射熱を利用して部屋を暖める方法です。

燃焼室から発せられる赤外線があたっている場所が暖かくなります。

ファンを使わずに熱による自然対流を利用しているので、床のほこりを吹き飛ばして舞い上げない点はハウスダストアレルギーをお持ちの方やペットやお子さんがいるご家庭の場合はメリットと言えるでしょう。

温風暖房機

ガスFF温風暖房機について

温風暖房機はファンヒーターとも呼び、電動ファンで供給した空気を燃焼室で発生させた熱で暖めて吹き出し口から温風を出し、強制的に部屋全体の空気を循環させることで暖める方法です。

こちらは空気を強制的に循環させるため輻射式より部屋全体が早く暖まる点はメリットと言えます。

ガスFF暖房機器の仕組み

FFと名前につく暖房機器の特徴として吸排気管が外と繋がっていることで、部屋の中の空気に排気が混ざらない点があります。

部屋の空気と排ガスを分けることによって、部屋の中の空気を綺麗に保ちます。

その具体的な仕組みは、

1.外気を吸排気筒から電気式ファンで強制的に燃焼室に取り込む。

2.燃料であるガスを電磁バルブの制御で燃焼室に送る。

3.燃焼室内の混合ガスを電気放電で着火して燃焼させる。

4.燃焼後の排ガスを電動ファンの吸気圧で、強制的に吸排気筒より外へ放出する。

このようになっているため燃焼した排ガスは完全に部屋の中とは切り離されています。

そのため、室内換気の必要性もなく、換気による暖房ロスも発生しません。

換気扇

ガスFF暖房機器のメリットについて

ガスFF暖房機器がどのような暖房器具なのか分かったと思います。

ではガスFF暖房機器を使用するメリット・デメリットとは何があるのでしょうか。

まずは、メリットから確認していきたいと思います。

仕組みから見たメリット

灯油と異なり最初からガスなので、着火するために液体をガス化する工程がいらないため、着火が素早く、単位あたりの燃焼カロリーが大きいので、部屋を素早く暖めることが出来ます。

また、燃料の補給はガス栓とガスホースで接続するだけで自動的に供給されるので、補給時の汚れや燃料タンクの持ち運び、燃料の残量の心配などの灯油にあったデメリットを改善し快適な冬の暮らしができます。

さらに上述したように直接燃焼室から排気を放出しているわけではないため、温風吹き出し口から出てくる温風は、皮膚がただれる火傷をするほどの高温にはなりません。

そのため開放型と言われる暖房機器より、安全性という面で優れていて、嫌な臭いも出ません。

ガスFF輻射式の場合

輻射式の場合、ファンを使わないため、非常にシンプルな構造になっています。

それため、掃除などのお手入れが簡単に済みます。

特に汚れるのは燃焼室の後ろに貼られている反射板と燃焼筒の掃除くらいなので、掃除機による埃の吸い取りや本体の拭き掃除くらいで済みます。

また、赤外線と自然対流によりじわじわと暖めていくので、空間温度が急激に上がらない分、空気が乾燥しにくいというメリットがあります。

ガスFF温風式の場合

ガスFF温風式の場合、部屋の空気を強制循環させて暖めるため、部屋が輻射式よりも早く暖かくなります。

さらに、燃焼室を露出させる必要性が無いので、輻射式よりも安全性が高いと言えます。

温風式は燃焼室をフルカバーしているデザインが多いので、もし燃えやすいものを近くに置いたり落としたりした場合でもすぐに火災が発生することはありません。

もちろん注意は必要ですが狭い場所や、保育所、介護施設等の目が離せない場所で使用するには安全性が高い事には越したことはないでしょう。

ガスヒーター

ガスFF暖房機器のデメリットについて

メリットを確認してきましたがもちろんデメリットもあります。

仕組みからみたデメリット

ガスFF暖房機器を使用するためには吸排気筒とガス配管が必要です。

そのため、後から設置しようとなると壁に穴あけをしたり、ガス配管をしたりという、設置工事が必要になり、工事料金もかかります。

ガス配管は一度設置してしまえば移動させることが出来ません。

そのため暖房器具の設置場所はその周囲に限られることになります。

これはどのガス機器にも言える事ですが、ガスFF暖房機器の場合は吸排気筒が必要になるため、さらに動かしにくくなります。

なので、一度設置した場合その場所から動かしにくくなってしまいます。

使用しないオフシーズンには場所をとりますし、移動できないので掃除がしにくく埃が溜まりやすいという点はデメリットです。

安全面から使用前に注意したいのは、吸排気筒が何らかの理由(雪が詰まった、物が前に置かれている等)で塞がれていないか、排気筒が外れていないかのチェックが必要です。

ガスFFふく射式

ガスFFふく射式の場合

ガスFF温風式と比較すると部屋全体が早く暖まりにくいので、寒く感じる時間が長いことです。

また、燃焼室を見せるデザインが多いので、燃焼室に燃えるものが触れた際の火災の危険性、直接燃焼室へ触れてしまうことでの火傷等の安全性においてガスFF温風式と比べると劣ると言えるでしょう。

人の目が四六時中無いと何らかの事故につながる危険性があるため、人の目が行き届きにくい場所での使用には不向きと言えます。

ガスFF温風式の場合

電動ファンで強制的に空気を循環するので空気が放出された際に、床の埃が空中に舞ってしまいます。

その埃が空気の循環で送風ファンにつくので細目な掃除が必要になる事と、ハウスダストアレルギーの方や、ペットを飼われている方ですと埃が悪影響を及ぼします。

また、温まっていない時に暖房機から遠くいる場合は、空気の循環による風の流れを感じて、寒い思いをする場合があります。

ガスFF暖房機の取り付け方法

ガスFF暖房機の取り付けは、資格を持った販売店や専門業者が行う必要があります。

ガス機器の設備に不備があった場合、火災・一酸化炭素中毒・ガス漏れ・感電などの事故の元になってしまいます。

安全のために販売店や専門業者にお願いしましょう。

電話スタッフイラスト

今回のまとめ

ガス暖房機の中でもより安全性が高い暖房器具です。

今回はガスFF暖房機について紹介させていただきました。

排気が部屋に放出されないため換気が必要無い点は、寒い外気を取り入れる換気をする必要がないため大変ありがたい点だと思います。

安全ためにも必要ということは分かっていてもやりたくないですよね。

しかし開放型の燃焼時に出る水分が無いため、乾燥しやすくなっている点は注意しておきたいです。

暖房機の使用と同時に加湿をして快適に過ごしましょう。

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