夏から秋になると気温が涼しくなっていき、冬になれば寒さ対策のために燃料の需要が高くなります。
冬を目前に控えた秋は需要を見込んだガス産出国が値上げをしやすい時期でもあります。
代わりに夏は需要がそこまでないので値段が抑えめなので、値段を上昇させやすいこの時期に営業をかけてくるガス会社が増えてきます。
今回はそんなガス業界の切り替え業者の営業について紹介していきたいと思います。
今回のポイント 1.秋はガスの営業が活発になる季節 2.秋はCPが上昇傾向なので値上げがしやすい 3.地域のガス会社の値段設定と比較することが大事 |
LPガスというのは契約している会社を変更することが出来ます。
ガスという生活インフラは電気や水道といった公共料金と違い、会社ごとに自由に値段を設定することが出来るため、その設定価格に大きな幅が生じていることがざらにあります。
冬の寒さが厳しい地域と緩い地域といった地域性により、需要が見込まれるところの方が、値段が高いことは考えられるでしょうが、同じエリアに存在するガス会社でも値段に差があることがあるので、「隣の家の請求書を見てみると全然違った」ということもあり得ます。
このように現在契約しているガス会社の価格設定に不満がある場合、契約者側には適正な値段設定をしているガス会社を探して契約をすることが出来る自由があります。
新しく契約したところが優良企業ならば安心ですが、ガス会社には自由に値段設定できることを悪用して値段を吊り上げようとする悪徳業者も存在します。
そのためガス会社を切り替えるときには事前によく下調べをして、契約内容を確認・業者に質問をして安心できるか確認をしたうえで契約をしましょう。
この時地域の別のガス会社と比較するとより安心です。
さて、ガスの訪問販売ですが、実は秋というのはこの訪問販売が増加する季節でもあるということをご存じでしょうか。
切り替えを目的とした販売自体は秋にならずとも行われておりますが、秋というのはガス業界にとって切り替えの狙い目シーズンなのです。
首都圏といった人口密集地では、特に契約切り替えのお客様の取り合いが激しい地域とされていて、中にはLPガス販売事業をせず、切り替えのための営業を専門に行うブローカーと呼ばれる業者が、お客様を訪問することがあります。
このブローカーは既存のガス会社に契約できたお客様を渡すことで収入を受け取っているため、契約の為なら一時的に値段を割り引いてくることもあるので注意が必要です。
もし既に契約をしてしまった方がいましたら、契約した時の資料や契約書、最初の方の検針票がのこっていればそれと、と現在の検針票を比較してみてください。
いつの間にか値上げをされているかもしれません。
ブローカー経由の切り替えはディスカウント価格で契約をして、後に値段を上げるようにしているガス会社があるようです。
なぜこのような値段設定にしているのでしょうか。
最初のガスの値段が低い理由として契約のしやすさがあげられます。
一般家庭用で1m3=250円の従量料金単価で利益を出せる小売店は、ほとんど存在しません。
この値段では保安経費が捻出できないため、ガス会社側の利益を確保することが出来ないのです。
それでも価格を抑えているのは契約を出来るだけ取りたいという思惑があります。
ガスの契約は大体年間契約といった期間を区切って契約をして、期限以内に契約解除すると違約金が発生することから、それを嫌がったお客様がずるずると契約延長することがあります。
最初は抑えていても、徐々に値段を上げることで最終的に利益を上げようとするため、切り替えから数か月後の電針伝票から値上げされていることが分かるでしょう。
更にブローカー経由の場合、上述したようにガス会社からブローカーへマネージが発生するため、その支出を回収するためにもガンガン値上げをしてくることが予想されます。
この値上げをするタイミングが、サウジアラビアからの輸入価格(CP)が上昇する秋に合わせることで自然に値段を上昇させやすくしているのです。
利益を見込めない割引価格から適正価格へ値上げをすることで利益を確保できるようにこの時期を狙っているのです。
そのためブローカーが提示する値段を基準として考えないようにしましょう。
インターネットで調べればホームページに値段を公表しているガス会社もありますのでそれと比較するようにすると営業を回避できるでしょう。
また、石油情報センターはプロパンガスの平均販売価格を調査して偶数月毎に発表してくれています。
他にもCPの調査をしているエネルギー情報ネットワークを参照すれば値段の上昇具合を推測することが出来るようになります。
伝票と突き合わせて確認することで現在契約しているガス会社がどのような値段設定にしているのか確認してみましょう。
上述しましたが、秋は値上げをしやすい時期です。
CPというのはガス産出国であるサウジアラビアからの輸入価格を表したもので、
仮に「1トン=575ドル」ならば、「1kg=0.575ドル=65円」とすることが出来、「1m3=2kg」なので、「1m3=130円」程度が輸入価格ということが算出することが出来ます。
では2021年のCPはどのような推移をしているのか確認してみましょう。
エネルギー情報ネットワークによれば、
2021 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
(㌦/㌧) | 550 | 605 | 625 | 560 | 495 | 530 | 620 | 660 | 665 |
9月までのCPはこのように推移しているようです。
春に値段が下がり、冬に向けて値段が上昇してきている状況が分かると思います。
注意点としてこれはその月ごとの輸入価格ということを踏まえてください。
その月にCPが上昇したからと言って、輸入した時のガスが入って私たち消費者の手元まで届くまでにタイムラグが発生します。
そのためすぐに値上げが発生することはあり得ません。
伝票に値上げ理由が「輸入価格の高騰」とあっても、実際の輸入価格とは関係が無い場合もあるということです。
最近の行政の指導により、取引の適正化が図られた影響から、ガス料金を値上げする場合は、検針票等で値上げの1ヶ月前までに一般消費者に通知する義務付けられるようになりました。
不信な値上げが無いように伝票はチェックするようにして、見つけた場合は連絡するようにしましょう。
これまでLPガスの値上げ状況について確認してきましたが、値上げを考えなくてもよい、事前に購入しておくことが出来るカセットコンロを使用することを考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カセットコンロのボンベは1本100円ですが、中身はブタンガス0.25kgが入っています。
1kgならば400円です。
しかし、ブタンガスは熱量が低く、1m3=128MJに対して、1Kg=50MJ程度です。
プロパンは1m3=100.514 MJなので、同程度の熱量をカセットボンベを取り出すには、8本必要になるため1本100の場合800円かかるということになります。
よって、1m3(=99MJ)をカセットボンベから取り出すには、
2kg(=8本)必要なので、1m3=800円となります。
プロパンガスは1m3あたり約400円なので倍以上の値段がかかるということになります。
家庭用のプロパンガスの供給契約を切って、カセットボンベのガスで生活しようと思っている方は、結局割高となりますのでやめましょう。
今回はガス業界の切り替え業者の営業とガスの値上げについて紹介させていただきました。
訪問販売してくる業者はその道のプロなので、口車に乗せられないように注意しましょう。
契約変更しても結局割高になってしまえば変更した意味がありません。
自分で価格を比較することも出来ますので自衛のためにもこれを機に確認してみるといいでしょう。
もし現在契約しているガス会社の値段設定にご不満があれば「ガスの安売り王」にご相談ください。
「ガスの安売り王」は地域最安値の優良ガス会社を紹介させていただいております。
是非お気軽にご連絡ください。