地震は突然襲ってくる災害です。
日本では毎年のように大きいものから小さいものまでどこかで発生しています。
LPガスを使用中に突然の地震!こんな時はどうしたらよいのでしょうか?
しかし、ご安心ください。LPガスは他のライフラインに比べて「地震に強い」と言われています。
今回はLPガスが地震に強い理由を都市ガスと比較しながらご紹介していきたいと思います。
今回のポイント 1.LPガスと都市ガスの安全性は高い 2.LPガスの復旧速度はすごかった 3.熊本地震にみる例 |
では、LPガスと都市ガスの二つを比べていきたいと思います。
LPガスが地震に強いと言われている理由の一つに、安全性が高いというのがあります。
LPガスが設置されているご家庭にはガスメーター(マイコンメーター)も設置されています。
これはガスの供給に異常が発生すると自動的にガスを遮断して被害を抑えてくれる器具です。また、何が原因で遮断することになったのかは、マイコンメーターに記号で表示されます。
ガスが遮断される原因としては地震による場合が多く、震度5以上の大きな地震を感知するとガスを自動的に遮断します。
さらに、配管の異常によるガスの漏洩が起きたときも、ガスを自動的に遮断してくれます。
LPガスのメーターには、何かあった時にガスを止めることで、被害が広まらないようにする機能が付いているため、大きな地震が起きた時も安全性が高いと言えます。
都市ガスも安全性が高いと言われています。
都市ガスは、工場(ガス製造設備)→ガスコンビナート(ガス貯蔵設備)→各ご家庭の順番で、工場で生産されたガスが、ガス管のガスラインを通って供給されています。
このような一連の流れが都市ガスの設備です。
都市ガス側でも、地震対策はしっかり行われています。
・各ご家庭に設置してあるマイコンメーターによる地震の感知
・地区ガバナ(ガスの圧力を調整する装置、整圧器)に地震計を設置
・ガス管は地震に強いガス管を積極的に導入・促進し、地震感知でガス供給を遠隔操作し遮断
・工場では必要に応じて製造をストップする
これら4つの地震対策が行われています。実際に地震が発生した時、それぞれの設備でガスが遮断され、被害を最小限に抑えます。
上記のようにLPガス、都市ガスともにガスを遮断して被害を抑えることで安全性を高めています。
日本では、昔の大地震の時にご飯時に襲ってきたため、火の消し忘れから火災が発生して、更に被害を広がってしまったといった経験をしてきました。
この苦い経験から災害時の火の元を消し止める機能は必要になったのでしょう。
阪神淡路大震災などの時は、メーターによる自動遮断が機能したようで、LPガスが原因の火災は起きなかったようです。
このことから、どちらも災害時の安全性が高いと言えます。
では、地震が発生した時はLPガスも都市ガスもガスが遮断されて使えなくなってしまうということが分かりました。
地震発生時のガス漏れは大事故の元になるので止めることは仕方がないことです。
ですが、揺れが収まり、生活の為に使わなければいけなくなった時に止まったままだと困ってしまいます。
LPガスの地震に強い理由の二つ目にあげられる点として復旧速度があります。
LPガスは、ガスボンベというガスが入っている容器が、各ご家庭に設置されていますので、
配管がとても短いため点検が簡単に済みます。
ですので、点検が終わればすぐにガスが通ります。
大地震等で遮断された場合は遅くとも二週間で復旧出来ます。
さらに、被災後の復旧が早いだけではなく、ガスボンベを仮設住宅に移るときに持っていくことで、ガスの供給がすぐにできます。
ガス管を埋設する必要がないので、配送車が通れる道さえ確保できれば被災地への供給が可能になります。
しかも災害時用の緊急システムとして、LPガスで使える発電機や炊き出しセットなどいくつか用意されています。
これらを使用することで、生活するうえで必要なライフラインの確保が可能になります。
では、都市ガスが地震に弱い理由とはなんなのでしょうか。
安全性について比較した時に、都市ガスではそれぞれの施設でガスを遮断するとお話ししました。
この各施設をつないでいるガス管が地下に埋まっていることが、復旧に時間がかかる原因になります。
都市ガスを各家庭までに供給するには、ガスを工場で製造してガス管を通して送らなければいけません。そのため、どうしても地震に弱くなってしまいます。
地震が発生すると地面の下にあるガス管に亀裂や破裂といった破損が発生してしまいます。
ガス管の復旧を行うには、地面の下にあるガス管を調べていき、問題ない場合はガス供給が再開しますが、破損や破断などの問題があるガス管は地面から掘り出して、新しいものと交換してからガス供給が再開されます。
復旧の流れはガス管に異常がないかチェックして、異常があれば交換をして、作業が終わったエリアから順次復旧していきます。
なので、地震発生時にはガスが止まったエリア全部のガス管を、調査しなければいけないため、どうしても全面復旧までには時間がかかります。
最近は地震に強いガス管を導入し、供給エリアを細かく分けることで、もし災害時にガス供給を緊急停止した場合も、その影響を最小限に抑えることが出来るようになってきているみたいです。
どちらも災害時には被害を広げないようにするための対策をしています。
その後の復旧も被災者の生活の為にライフラインの構築を頑張っているようです。
それでも仮設住宅への設置といったライフライン構築の早さという面と、そのガス供給再開・使用までの簡便性からみると、LPガスに軍配が上がることになると思います。
実際にあった事例を出してみましょう。
熊本地震は2016年4月14日の夜9時26分に熊本県で発生した地震で、マグニチュードは6.5でした。これは余震であり、本震が4月16日の1時25分に発生し、マグニチュードは7.3で最大震度は震度7を記録しました。
東日本大震災以来の大きな地震で、震度5以上のエリアの都市ガスは停止しましたし、LPガスもメーターが作動してガスが停止しました。
しかし、LPガスの場合は、停止してからその翌日には使えるようになっていました。
さらに各地域の保安を行っていきました。
これに対し、都市ガスは4月25日付けの読売新聞や27日付けの産経新聞によると、熊本市をはじめ県内2市5町の約10万5千戸が本震のあと都市ガスの供給を停止され、約10日後の26日午後3時現在で5万7,725(57.2%)が復旧し、最終的には4月30日に全面復旧になりました。
こうして比較すると、LPガスの場合は地震発生から復旧までがどれだけ早いかがわかります。
都市ガスは東日本大震災での復旧の経験を教訓として対策を施しています。熊本では地震に強い強度と延性(伸びやすさ)を兼ね備えたポリエチレン管(PE管)が導入され、スムーズに作業が行えるように作業員も訓練する、などの対策をしてきました。
対策が実を結んだのか熊本地震では、予定よりも1週間早い全面復旧が可能になりました。
これは、ポリエチレン管の被害無しといった予想よりも被害が少なかった、というのも復旧が当初の予定より早くなった大きな要因です。
今回は、LPガスが地震に強い理由や都市ガスとの違いについてお話させていただきました。
地震に強いと言われるLPガスの魅力を分かって頂けたでしょうか。
実際に大きな地震に見舞われた元被災者は災害時の経験からLPガスに切り替えた人もいるようです。
地震はいつ襲ってくるか分からない天災です。
対策の為に切り替えを検討してみるのも一考の余地があると思います。
「ガスの安売り王」ではガス会社切り替えをサポートさせて頂きます。
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