家で使われているコンロやヒーターに使用される熱源には何を使用されていますか?
熱源として代表的なのは電気、LPガス(プロパンガス)、都市ガスでしょう。
もしかしたら石油、石炭、薪や炭という選択肢もあるかもしれませんが今回は置いておきます。
代表としてあげた3つのうち、価格が変動しやすいものがあります。
それは「LPガス」です。
今回は毎日の生活で使用されるLPガスがどうして料金値上げされるのか。
この値上げがどのような仕組みになっているのか、ご紹介していきたいと思います。
今日のポイント
1. LPガスの料金制の多くは「二部料金制」
2. LPガスを契約時に渡される書面はよく確認しましょう
3. 不当な理由で値上げされた場合はガス会社の変更も考えてみよう
LPガスの料金は「自由価格」になります。
ガス販売店によって「LPガス(プロパンガス)料金」や「料金体系」が変わってきます。
料金体系で現在普及されているのは二部料金制で、「基本料金」と「従量料金」の2つに分かれています。
また通常、基本料金内に入っている料金でもありますが、ガス販売店からお客様が借りている設備等がある場合は、「貸付設備利用料金」や「設備管理料金」等として別途請求書に記載されている場合があります。
メーターや配管等のガス供給設備や点検や検診等の保安などに関する費用が含まれ、ガスを使用したかどうかにかわらず必ず請求される料金のことです。
LPガスの原料費やボンベ配送にかかる人件費や輸送費などが含まれ、使用量により支払う金額が変わってくる料金のことです。
LPガスの安全管理と取引に関する法律「液石法」(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)の改正(平成9年4月施行)により、料金の内訳やお客様に提供されるサービスについて、ご契約者様にわかりやすく説明し、提示することがガス販売事業者に義務付けられました。
この義務により、ガスを使用していなくても払う費用である「基本料金」と、ガスの使用量で払う金額が変わってくる費用「従量料金」に、分割して表示することで分かりやすくするために「二部料金制」が広く採用されています。
LPガスの料金は多くの契約会社では
月額の基本料金 + ( 1㎥あたりのガス単価 × 使用量 )
このように定めています。
・ガス単価には、使用量範囲別(5㎥、10㎥、15㎥……)に契約会社により設定されることもあります。
・ガス料金には別途、消費税が課税されます。
LPガス料金に関する情報については経済産業省、石油情報センターのホームページもご参照ください。
先程出てきた「液石法」の第14条により、LPガス(プロパンガス)業者は契約内容をお客様に「分かりやすく」説明した文書(契約書)を提供するように定められています。
この契約書には以下のことが記載されています。
ですので、ガス販売店からの契約書を手元に持ってきて、確認しておくとよいでしょう。
この契約書の中で、値上げに関係する内容は「3. 料金(料金制度の内容、料金制度の考え方など)」の項目ですのでよく読み込んでおきましょう。
今確認することによって、もし突然値上げをされることになっても契約内容と違う場合はガス会社と交渉できるかもしれません。
この契約書には他にも重要な事が書かれていますのでよく確認しておきましょう。
今後、料金以外のトラブルに合ったときの突破口になるかもしれません。
LPガスはガス販売会社が自由に金額を決定しても良いという制度により販売されています。
この制度を使って全国各地のガス販売会社が消費者の生活を圧迫するような金額設定を行っているという調査結果がでています。
ガス販売会社の利益幅が大きくなり過ぎる結果、都市ガスとの料金格差が拡がってしまっています。普段生活する上で代用品はありますが、必需品であるLPガスから消費者側に歩み寄る事が大切になります。
では、本来であればそこまで値上げしなくても良いでは?と思うところですが、そんな状況でも値上げをする理由とはどんなものなのでしょうか。
LPガスは、海外からの輸入で4分の3をまかなっています。
LPガスの輸入、生産事業者等によって構成された団体である日本LPガス協会では次のように説明しています。
我が国で使われているLPガスの約75%は海外からの輸入したもので、残りの約25%は原油精製時及び化学製品の生産時に発生する国内生産分です。 …… |
引用元:日本LPガス協会 供給の現状より https://www.j-lpgas.gr.jp/genzai/supply.html
上記から、LPガスの原材料である原油の価格が上がってくると、それに合わせてLPガス料金も上がってしまいます。
為替レートが円安になると、LPガスを輸入調達するためにかかる費用が上がるので、LPガスを販売する時の料金も上がります。
また、LPガスの販売価格は暖房の使用等から需要が高まる秋から冬にかけて上がり、温かくなり始めた春先から夏にかけて下がる傾向があります。
これはなぜかというと、輸出国のサウジアラビアやカタール等が販売価格を需要に合わせて値上げをしてくる傾向があるそうです。
原材料の価格、調達費用等の理由から値上げが起きている、という訳です。
上記の理由でしたらまだ正当性がある適正な値上げといえます。
しかし、中には不当でしかない理由で値上げをされてしまう場合があります。
この場合にはよく注意しなければなりません。
「売り込み価格」とは、新規契約のために設定された「格安ガス料金」です。「最初は安かったのに数年かけて徐々に値上げされて高額になってしまった」という話をよく聞きますが、大半がこのケースです。
悪徳ガス販売会社はまず赤字覚悟で新規契約者数を増やし、数年後には黒字になるようn計画で契約してきます。そのため、2~3年で契約時の値段よりも数倍の値段を支払うことになってしまいます。
訪問営業に来たガス会社から提示された料金が安かったため契約してしまう人が多いようですが、悪徳業者と契約しないためにも慎重に判断する必要があります。
契約する時に大切なことは「継続した適正価格で安定供給されるか」です。
「値段が安かったから」と、その場で申し込まずに一度立ち止まってみましょう 。
競争原理が働いている市場ならば、新規の顧客開拓の為に企業が値段を下げれば、他の企業もそれに合わせて値段を下げることによって相場が下がってきます。
対してLPガス業界では値段が上がり続ける状態になってしまっています。原油価格の高騰時であればまだわかりますが、ただ契約会社が儲けたいためだけに値上げをする悪徳ガス販売会社すら存在します。
一部の地域だけに絞ってその地域だけ一斉値上げを行う、繰り返し少しずつ値上げ幅を抑えながら値上げする、など方法は様々ですが、材料である原油価格が値上げしていなくとも、悪徳業者は値上げ通知を送ってきます。
そのような悪徳ガス販売会社の場合はクレームをつければ、その時は値下げを考えるでしょうが、しばらくすれば必ず値上げが始まります。そんな悪徳業者だったら、迷わずガス販売会社を切り替えてしまうべきです。
値上げをされる時は、消費者には一方的に通知されることが多いのです。
「妥当な値上げなのだろうか」と疑問に思っても判断がつかないからと諦めずに、値上げをすることの連絡が来たら、原油価格について調べてみてみるのもいいでしょう。
以下に対処法についてご紹介いたします。
ガス販売店がどれくらい頑張って料金を抑えてくれているのか、客側からでは目に見える形で確認することができません。
どうしても必要になった値上げなのかどうかは、お客様側からでは判断することは難しいと思います。
「今回の請求書の値上げは本当に妥当なのか?」といった疑問が出てくると思います。
その場合は、他店のLPガス販売店に連絡をとってお見積りをしてもらい、LPガス料金を比較してみると良いでしょう。
これでお客様がお住まいの地域の相場の情報を得ることができます。
他にも、LPガスの平均料金等も、あくまでも参考にする程度ならば便利な情報です。
価格が周りと同じように高ければ平均も上がってしまうので、参考にする程度にしましょう。
「他店のLPガス会社は○○円でした。」「この地域の平均価格は○○円だから値下げして。」と具体的な値段と比べてお話しするようにLPガス会社と交渉してみましょう。
今回はLPガスの料金の値上げがされる理由について紹介させていただきました。
現在お客様がご契約されているLPガス会社はどうでしたか?
もし、値上げをされた時に疑問を持った場合は、直接連絡をとって疑問に答えてもらうように、説明を受けることも大切です。
しかし、悪徳業者と契約してしまった場合は注意が必要です。
直接連絡を取っても説明が不十分のまま対応を終わってしまうこともあります。
このような、悪徳業者の場合は、LPガス販売会社の切り替えをお勧めします。
お困りでしたら「ガスの安売り王」では優良ガス会社をご紹介いたします。 値上げ通知が来て困ってしまった場合、お気軽にご相談ください。