「LPガス」と「プロパンガス」の名前

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普段何気なく使用しているガス。

このガスなのですが、契約会社によって二通りの名前があることにお気づきでしょうか?

「LPガス」と「プロパンガス」。少し調べてみるとLPガス(プロパンガス)店やプロパンガス(LPガス)販売店といった表記も見受けられます。

「どっちもガスだし、ボンベに入っている。じゃあ、中身が違うの?」

今回はこの二つの名前についてのお話をさせていただきたいと思います。

今回のポイント
1. LPガスとプロパンガスは同じもの
2. プロパンガスのプロパンはガスの成分
3. LPガスは低い場所に溜まり、都市ガスは高い場所に溜まる
ガスコンロ

プロパンガスとLPガスの違いは?

よく聞く「LPガス」と「プロパンガス」という2つの言葉。

これら2つのガスは違うものなのでしょうか?

基本的にはLPガスとプロパンガスはほとんど同じものです。

つまり、「LPガス販売店」と「プロパンガス販売店」では販売されているガスは同じものということです。

当然ですが、請求書に書かれている「LPガス料金」と「プロパンガス料金」も同じ、ということです。

同じものだというならば、なんでLPガスとプロパンガスの二通りの名称が存在するのでしょうか?

“LP”の意味について

「LPガス」は英語の略語で、元は“Liquefied Petroleum Gas”という言葉なのです。“Liquefied”という単語は「液化された」、“Petroleum”は「石油」という意味を表しています。

これら日本語に翻訳すると、“液化された石油ガス”になります。

この名前の通りLPガスというものは、天然ガスの一種である石油ガスを冷却・圧縮して液化されてできたものなのです。

このように、普段の生活の中でLPガスを使用している時の状態は気体のものを使っていますが、家に運ばれ設置されるガスボンベの中には液体の状態のガスが入っています。

なぜ液体の状態にしてボンベにつめて運ぶのか。

これはガスを気体から液体にすると、体積が約250分の1の大きさになるため輸送が簡単になります。

プロパンガスイラスト

これはLPガスの優秀な点の一つと言えるでしょう。

なぜプロパンガスという名称も使われるのか

液化石油ガス(えきかせきゆガス、英: liquefied petroleum gas、LPガス、LPG)は、プロパン・ブタンなどを主成分とし、圧縮することにより常温で容易に液化できるガス燃料(気体状の燃料)の一種である。

引用元: 液化石油ガス フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

LPガスの主要な成分はプロパンやブタンという炭化水素化合物があります。

これらは液化しやすいガスで、これらを混合したガスが一般的に使われている「プロパンガス」です。

LPガスは“液化された石油ガス”のことです。

よって、ガスの中身が異なったガスを混ぜたものでもいいわけです。

家庭用LPガスが「プロパンガス」という名前がついているのは、混合ガスの割合の内、プロパンガスが特に大きいからです。

よって、「プロパンガス」という名称がついているからといっても、プロパン100%のガスを使っているわけではないのです。

工業用に販売されているLPガスの主成分はブタンとなっていますが、家庭用でも使用されている例もあります。

カセットコンロに使用されるカセットボンベはブタンガスが使われていて、他にも使い捨てのライターやスプレー缶の一部に使用されていることもあります。

なので、ガスの主成分によってプロパンガスとブタンガスは変わってきますが、これらとLPガスは同じものを言っていることになります。

LPガスの特徴は?

LPガスとプロパンガスは、名前は違うけど同一のものを指していること。

LPガスという言葉は「液化されたガス」という意味で、その意味の通りのガス全てに対して使用されていること。

この二つが分かったと思います。

では、このLPガスの特徴とは何でしょうか。

都市ガスと比較しながらお話したいと思います。

LPガスイラスト

比重について

比重(ひじゅう)(en:specific gravity)とは、ある物質の密度(単位体積当たり質量)と、基準となる標準物質の密度との比である。通常、固体及び液体については水、気体については、同温度、同圧力での空気を基準とする。 

引用元: 比重 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

簡単に言えば空気や水などの比べたいものと比べてどれくらい軽いのか、重いのかを数字で表したことを比重といいます。

プロパンの場合

LPガスの主成分のプロパンの比重は次のようになります。

気体の比重:1.56

液体の比重:0.51

この数字の見方は1より小さいほど比べたものより軽く、1より大きくなるほど重いということを表しています。

この数字から分かることは気体の状態の時は空気より重く、液体の状態では水よりも軽い物体であることが分かります。

ブタンの場合

LPガスのもう一つのガスであるブタンの比重は次のようになります。

気体の比重:2.09

液体の比重:0.58

プロパンと比べるとやや重いようですが、同じように気体では空気より重く、液体では水より軽いという物体であるということが分かりました。

プロパンとブタンの比重から分かること

LPガスに含まれているプロパンとブタンは、気体の状態の比重が高いという結果でした。

このことから、もしもガス漏れが発生した時、空気より重いLPガスは下の方に溜まっていくことがわかります。

この特徴から、LPガスを契約されているご家庭には、ガス漏れ探知機を床に近い場所、低い位置に設置することになっています。

ガスコンロ

メタンの場合

では、比較対象である都市ガスはメタンガスが主成分です。

このメタンガスはLPガスに含まれるプロパンやブタンよりも液化させにくいため、気体のまま運用されています。

そのためガス管を通してそのまま送り届けなければいけないため都市のような人口が集中する場所でなければ供給できないのです。

なので、メタンガスの比重は気体だけです。

気体の比重:0.55

この比重からは空気より軽いことが分かります。

そのため天井付近にガスが溜まるため、ガス警報器は天井付近に設置されています。

LPガスと都市ガスの違いまとめ

このようにガスの主成分の違いから安全のために設置される警報機の場所が変わってきました。

また、プロパンが主な成分であるLPガスは、メタンを主成分とする都市ガスと比べて熱量が大きいことも特徴です。

他にも、都市ガスはガス管を使ってご家庭に供給されて、LPガスはガスを詰めたボンベを、ガス販売業者によって各ご家庭へ配達されるといった違いもあります。

ガス機器の違い

「プロパンガス(LPガス)」と「都市ガス」ではガス器具の間には互換性がありませんので、買い替えが必要です。

LPガスとプロパンガスは同じものなので、「プロパンガス用」「LPガス用」と書かれているガス機器は、どちらも同じように使うことが出来ます。

注意してほしいのは、都市ガスを使用していてLPガスに切り替えた時、またはその逆の場合はガス機器をそのまま使用することは出来ない事です。

「LPガス用」と「都市ガス用」のガス機器の間には互換性が無いので、引っ越しや契約を切り替えた時に、ガスの契約タイプが変更される場合は買い替えて下さい。

キッチン

今回のまとめ

プロパンガスとLPガスの違いはないということが分かりました。

LPガスという言葉は、「液化されたガス」という意味で、それらの名称でもあります。

プロパンガスは、家庭用のLPガスには「プロパン」が多く含まれているので、「プロパンガス」と呼ばれていることもわかりました。

当然、LPガス販売店でもプロパンガス販売店でも、同じように家庭用のガスを販売しているお店です。そこに違いはありません。

LPガスは、ガス販売店ごとに料金が変わります。

「ガスの安売り王」ではガス会社切り替えをサポートさせて頂きます。

ぜひお気軽にご相談ください。

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