ガスボンベを設置するための基準とは?

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LPガス(プロパンガス)を利用するためにはガスボンベを設置する必要があります。

しかし、ガスボンベを設置するためにはいくつかの条件を満たさなければいけません。

この条件は事故を防止し、身を守るために規定されたものなので、これを守れているか知っていれば危険なガス業者を避けることが出来、安全にガスを使用できることにつながるでしょう。

今回は、ガスボンベの設置基準について紹介していきたいと思います。

今回のポイント
1.ガスボンベの設置基準は7つある
2.万が一の事故に備えてガス漏れ警報器を設置しておこう
3.キャンプなどで外で使用する時も設置基準は遵守しよう
ガスタンク

ガスボンベの設置基準

ガスボンベは大体台所の裏辺りに設置されているのが見られますが、それは7つの基準を満たすことで設置されているのです。

ガスボンベは中身が可燃性の気体であるプロパンガスが詰まっているため十分な注意を払って取り扱わなければなりません。

では具体的な基準とはどのようなものなのか確認してきましょう。

その①直射日光を避ける

ガスボンベの中には液体状のガスが入っています。

これは低温の状態を保たなければすぐに気化してガスボンベの内部の圧力が高くなってしまいます。

直射日光はガスボンベを温めてガスボンベの内部の温度を上昇させてしまいます。

これを防ぐためにガスボンベの設置場所は、「風通しがいい直射日光が当たらない場所」でなければいけません。

それでもどうしても直射日光が当たる場所でなければいけない時は、ガスボンベの上に屋根を付けて影を作るか、ガスボンベカバーなどのアイテムが必要になります。

LPガス

その②火気のそばに置かない

火気が存在する場所から2メートル以上離してガスボンベを設置しなければなりません。

可燃性のガスが入っているガスボンベなのですから安全のためには必要な事です。

ここでいう「火気」というのは、ボイラーやストーブ、ガスコンロといった火を使用する器具や火そのもののことです。

他にも火花が発生する機能があったり320℃以上の熱を発生する暖房器具といった電化製品なども「火気」の範囲に入ります。

これ等の条件は意外と多くの電化製品が満たしてしまうため注意が必要です。

その③転倒・転落防止処置をする

日本は地震が頻発するので、地震の揺れや何かの衝突により、ただ単に設置するだけだと転倒、もしくは転落する可能性があります。

そのため転倒・転落防止措置が必要になります。

チェーンによりガスボンベが動かないように固定し、この時二重にかけるようにするとより安全性が高まります。

設置する場所も重要です。

傾斜がついていては転がる可能性が高まるので水平な場所に設置されます。

地震や強い台風といった災害時にガスボンベが転倒やガス漏れが発生する可能性がある場合は被害を抑えるためにもボンベのバルブを時計回しに閉めておきましょう。

自宅

その④強い衝撃が与えられない場所に設置する

強い衝撃がガスボンベに加わると爆発する可能性があります。

風船が分かりやすいと思いますが、内圧がかかった物体はわずかな損傷から破裂することがあります。

そのためガスボンベは損傷する可能性が有る場所の近くには設置することが出来ません。

駐車場は車がぶつかる可能性が有るため設置出来ません。

周りに荷物を積み上げておくことも避けておくべきでしょう。

降雪地帯の場合は雪害対策として屋根を付けたり軒下に設置することも考えておくといいでしょう。

その⑤囲いを設置する時は発火に注意

ガスボンベがむき出しのままにしておきたくないという方はいらっしゃるかと思います。

そのため囲いを設置したりカバーを被せたいと考えるかもしれませんが、その場合囲いやカバーの材質には気を配らなければなりません。

発火のリスクを防止するために不燃性の素材を使用し、万が一ガス漏れが発生した時でもガスが溜まらないように空気が抜けるようにしておきましょう。

上述した「その①直射日光を避ける」でも述べましたが、「風通しがいい直射日光が当たらない場所」に設置しなければならないので、カバーは風通しがよくなければなりません。

その⑥ボンベ内の温度上昇を避ける

上述しましたがガスボンベの温度が上がると、内圧が高くなり爆発する可能性があります。

ガスボンベの温度は40度以下に保ち、温度を上昇させる要因である直射日光を避け、熱を発生させる機器を近くに置かないようにしましょう。

その⑦ボンベの腐食を防止する

ガスボンベが腐食すると、容器の強度が下がり爆発するリスクが高まります。

ガスボンベを設置するときは、水回りや軒下などの水気の多い場所は避け、水はけの良い場所を選びましょう。

ガス漏れ警報器について

ガスボンベを設置出来たのなら上記の基準を満たしたことになるでしょう。

しかしそれだけでは万が一のガス漏れに対して不安があります。

そこで「ガス漏れ警報器」の設置も併せてするようにしましょう。

ガス漏れ警報器は設置しなければいけないという訳はありません。

身を守るための準備は万端にしておくと安心です。

このガス漏れ警報器はガスの種類、LPガスか都市ガスによって設置する場所が変わります。

これはガスの性質によりガスが溜まる場所が変わるためです。

LPガスを使用している場合は、空気より重いため床の近くにガスが溜まるので、警報器を床から30㎝程度の場所に設置します。

都市ガスを使用している場合は、空気より軽いので天井の近くにガスが溜まります。

そのため警報器は天井から30㎝程度の場所に設置します。

呼吸困難

一酸化炭素対策もしよう

ガス漏れ警報器には、「ガス」に対する警報機能だけではなく、一酸化炭素に対する警報機能がついているタイプもあります。

火を使用するガス器具は酸素が十分に供給されないと不完全燃焼を起こして一酸化炭素を発生させる可能性が有ります。

一酸化炭素は毒性が強く、無味無臭のため気づいた時には手遅れということもあるかもしれません。

身を守るためにも一酸化炭素検出機能を持ったガス漏れ警報器、もしくはガス器具周辺に個別で一酸化炭素警報器を設置した方がいいでしょう。

ガスボンベを運搬する際の注意点

ガスボンベは家に設置されているものだけではありません。

個人でガスボンベをレンタルや購入することが出来、「利用可能なエリア」で使用することが可能なのです。

最近ではキャンプやイベントに持ち込まれることが多くなってきています。

この「利用可能なエリア」とは、ガス販売店やレンタル業者が、ガス使用時に事故が発生した場合でも30分以内に駆けつけることが可能なエリアのことを指します。

これを「保安距離」と言います。

この保安距離内であれば、プロパンガスを自由に使用することができます。

しかし、この利用可能エリアの中であっても上述した「設置基準」を守らなければなりません。

ガスボンベをキャンプなどで使用するとなると運び込まなければなりませんが、運搬方法にはガス販売店に依頼するか、自分自身で利用先に運ばないといけません。

業者に依頼するのでしたら、その道のプロですので心配いらないでしょう。

しかし自分で運搬する時には守らなければならない注意事項があります。

法令により「高圧ガス積載車」以外の自家用車でLPガスのガスボンベを運搬する場合、8kg以下の容器で計21kgまでとなっています。

ガスボンベを積載した車内では、火気厳禁なので喫煙やライターの使用といった行為は禁止になります。

また、夏場の車内などは高温の環境になるため、ガスボンベを車内に放置しないようにしましょう。

ガスボンベを持ち運んで使用する際は、上述したガスボンベの設置基準を厳守し、プロパンガス販売店の指示をきちんと守りましょう

LPガス

今回のまとめ

今回はガスボンベの設置基準について紹介させていただきました。

ガスボンベを設置するには基準を満たす必要がありますが、それだけではなく自分でも安全に使用するために対策をするようにしましょう。

以上がプロパンガスを設置する際の基準になります。

ガス会社が基準を満たした場所を選んでガスボンベを設置してくれていますが、ご自身でも対策を忘れず安全にプロパンガスを利用しましょう。

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